第1回【ゲノム解析】 野村宗弘先生『うきわ』特集インタビュー
- 2014/07/11
- 23:59
『まんがゲノム』の特集として今回から【ゲノム解析!!】というコーナーを開始することになりました。
このコーナーでは漫画家先生と共に作品内容を掘り下げたり、漫画家先生ご自身のことを語っていただいたりします!!
そして栄えある【ゲノム解析!!】のトップバッターは、7月11日に『うきわ』2巻が発売される野村宗弘先生です!!
それでは野村先生の『うきわ』を核にしてゲノム解析スタートです!!

先生!!いよいよ「うきわ」2巻が発売ですね!!
ここを読まれる方は当然「うきわ」1巻を読了されてる方達ばかりだと思いますが、念のためどのようなお話なのか先生から解説いただけますか!?
[野村先生]
旦那に浮気されてる麻衣子さんが、隣に住んでる旦那の上司二葉さんに相談する。
そのうちに惹かれ合ってくけど、色んな制約から距離を縮められない話かなー。
今のところ。
自分の中では「本能と理性」「配慮」「品(ヒン)」の掘り下げ作業です。
(本能って可哀想じゃなーって。酔っぱらったり恋愛感情に溺れたり精神的に追い込みすぎて脳が衰弱したりしてないと、出して許される本能ってあんまり無い・・・当然だけど・・・)
この作品は主人公の二人の心理描写が凄いというか、セリフの無いコマにももの凄い情報量が詰まっていて、読んでるとめちゃめちゃ心にずっしりくるのですが、執筆する際に気をつけている点や苦労することなどありますか?
[野村先生]
「目は口ほどにものを言う」じゃないですが、私生活と一緒で人の表情とか動きとかからの方が本音がわかるって事もあると思うんです。
だけど無音なシーンは読者さんの取り方次第で変わってくるんで、それがなるべくミスリードにならないようにするってところが苦労するところかなー。
あとは読者さんの目の移動距離とかで緩急つけたりします。

先ほども心理描写が凄いと申しましたが、この二人の何ともいえない背徳感のつきまとう関係性を描くのに、何か参考にされたものはあるのでしょうか。
誰かモデルがいるとか・・・、ま、まさか先生ご自身の経験じゃないですよねっ???
[野村先生]
凄いっすか・・・ありがとうございます。
多分経験があったら恐怖心で描けないっす・・・。
担当さんに
「お互い配慮し合うような人間関係のマンガを描いて欲しい。あと女性。艶っぽいの。浮気とかどうですか?」
と言われたので、
「浮気が出来ないの方が描きたいです。その方が多分艶っぽくなりそうな気がしますです。」
と言いました。
ウォン・ カーウァイ監督「花様年華」という浮気ができない、これ以上踏み込めないっていう映画が好きで、そういうのを描いてみたいなーってのが始まりです。
最初はそうでしたー。
最初のイメージは映画からのインスピレーションだったんですねぇ。
ちょっとその映画見てみたいです!!
先生のご家族はとても円満だと思いますが、もし仮に先生自身が二葉さんと同じシチュエーションになってしまったらどんな行動をとると思いますか?
そして作中と同様に麻衣子さんのような人がそばにいたらどうなっちゃいますか??
[野村先生]
(え、円満じゃなかったらどうするんすかー!!ってのは置いといて)
僕が二葉さんだったら、最初に
「旦那に浮気しとるの知っとるって言うんがええんじゃないん?言えんなら、わしが我慢できんけえ、言うよー」
と言いますよ・・・。
即解決させたがるんで麻衣子さんは僕には惹かれないんです・・・・・・。

うはは、そうなんですね・・・。
あと何点か作中の設定のことを訊いてもいいですか?
「うきわ」の舞台になっているこの町はどこかモデルになってる場所はあるのですか?
聖地巡礼しようと思えば行ける場所なのでしょうか。
[野村先生]
決めとるの、広島市ってのだけですかねー。
あの社宅に住んでる人らは広島市東区の地名から名前とってます。
1巻の後半の舞台の商店街は「タカノ橋」ってとこにあって、広島一の繁華街「流川」だと色んな人に見られるんで、あんま人のいないとこをチョイスするだろうなー、と。
(近くにラブホテルが多いんで、そういうカップルも多いんじゃないかなーとか。)
おぉ~、そうなんですね。
タカノ橋近くの商店街に行けばあの背徳感を味わえちゃう感じなんですね~。
あと名前の由来が広島市東区の地名なんですかぁ・・・。
(絶賛スマホ検索中)
あ、ほんとだ。
二葉や中山って地名あるぅぅぅ!!
そうそう、二葉さんと麻衣子さんの住んでいるコーポケサダは社宅ですか?
きっと社宅なら家賃は2万円くらいなんでしょうね。
この社宅も実在する建物なのでしょうか。
[野村先生]
僕が鉄工所勤務の頃に住んでた賃貸のアパートをイメージして描いております。
(社宅じゃないですが・・・)2万で住めたら羨まし〜!です・・・
(コーポケサダのケサダは、元カープの外国人選手から。)

二葉さんや麻衣子さんの旦那が働いてる会社の業種は何なのでしょう。
僕はズバリ機械工具関係の商社じゃないかと思ってるんですが!!
[野村先生]
なにかは決めてないですが商社です。
機械工具関係にしちゃうとそっちを描きたくなって違うマンガになりそー。
「うきわ」は二人を描くマンガってのに重点を置いてます。
あ、設定の話とは違うんですが、1巻の104ページで風呂場の天井のフタっていうんですかね、あれ開きっぱなしなんですけど、今もあそこは開きっぱなしなんでしょうか!?
[野村先生]
やわらかスピリッツのコメント欄でもそこが気になる方多くて参考になったんですが、あれ、あんときは精神的に閉める余裕が無かったって表現なんで、あとで風呂で入ってるときに気がついて、興ざめで閉めたんだと思いますよー。
ああいうコント回が大切だと思っております。

あと、麻衣子さんの性格って初期に比べて現在はちょっと変わってきてますか?
序章での麻衣子さん1巻29ページで超大胆なセリフ言ってるんですよね。
[野村先生]
序章はまだ、二葉さんに好意はあるけど、心底ほれてないって設定なんで、ああいう冗談が言えるんですが、もう冗談として言えなくなってきちゃったんですねー。
序章が一番、うきわで浮いてるだけで良かった時期なんです。
それでは、いよいよ発売される2巻の見所はズバリどこでしょうか!!
[野村先生]
これ、担当さんに聞きました!
「二人の急接近のドキドキと二葉さんの過去がわかる」
個人的には、マンガ原稿だけだと160ページくらいで出せるのを、お値段そのままで192ページに増やしてもろうて、その空きページで大量に演出したところをすんごい頑張ったんで、そこも見てやって下さると、作者嬉し泣きします。

これは楽しみですね!!
発売日が来るのがめちゃめちゃ楽しみです!!
他に告知等ありましたらどうぞ!!
[野村先生]
9月22日には「満月エンドロール」っていうイブニングでやってるマンガを
上、下巻同時発売しますです。
おぉっ、そちらも楽しみですっ!!
今回はどうもありがとうございました!!
また新刊出る際にゲノム解析させていただきたいと思います!!
野村宗弘先生の『うきわ』2巻、7月11日(金)に発売です!!
是非とも大人の経済力をフルに活かして1、2巻大人買いして下さい!!
と、何だかこれで終りのように見せかけて・・・・・・。
まだまだ続くよゲノム解析!!
野村先生に作画写真の解説をしていただきました!!
(記事中に挿入された作画写真の上から順番に①~⑤とします)
[野村先生]
①先に人物を描きます
②下書きはコピー用紙に描いてそれをトレースします(消すのめんどくさいんで)
③入れました。
④こんな感じ
⑤フォトショップで仕上げて完成ー
以下は各写真について解説いただいてます!!

[野村先生]
画材。
ペン先は「日本字ペン」というの。
子供の頃からずっとこれです。
使って先が丸くなったのを太い線に。
新しいのは細い線に使います。
枠線はピグマの0・8ミリ。
ふきだしは、普通の水性サインペン
筆ペンは、描き文字とかドアップとかに。

[野村先生]
2巻台割
単行本の設計図みたいなの。
無理言って総ページ増やしてもらって、合間のページでいっぱい遊んでます。
単行本を作る編集作業が一番好きです。
この画材で沢山の作品が生み出されてるんですね~。
そう思うと画材なのに眺めてるだけでドキドキしちゃいます。
そして、台割というものは今回初めて目にしました。
普段なかなか見る機会の無いシロモノですよね。
本当に超貴重なものまで御紹介いただきありがとうございました!!
野村宗弘先生
代表作 「とろける鉄工所」
連載中 やわらかスピリッツ「うきわ」
イブニング「満月エンドロール」
HP http://www.geocities.jp/toukyousamitto/
twitter https://twitter.com/nomura1234
さて、第1回目のゲノム解析いかがでしたでしょうか。
このブログを訪れた皆様が野村宗弘先生に興味を持たれ、その作品に触れていたたけることを切に望みます。
このコーナーでは漫画家先生と共に作品内容を掘り下げたり、漫画家先生ご自身のことを語っていただいたりします!!
そして栄えある【ゲノム解析!!】のトップバッターは、7月11日に『うきわ』2巻が発売される野村宗弘先生です!!
それでは野村先生の『うきわ』を核にしてゲノム解析スタートです!!

先生!!いよいよ「うきわ」2巻が発売ですね!!
ここを読まれる方は当然「うきわ」1巻を読了されてる方達ばかりだと思いますが、念のためどのようなお話なのか先生から解説いただけますか!?
[野村先生]
旦那に浮気されてる麻衣子さんが、隣に住んでる旦那の上司二葉さんに相談する。
そのうちに惹かれ合ってくけど、色んな制約から距離を縮められない話かなー。
今のところ。
自分の中では「本能と理性」「配慮」「品(ヒン)」の掘り下げ作業です。
(本能って可哀想じゃなーって。酔っぱらったり恋愛感情に溺れたり精神的に追い込みすぎて脳が衰弱したりしてないと、出して許される本能ってあんまり無い・・・当然だけど・・・)
この作品は主人公の二人の心理描写が凄いというか、セリフの無いコマにももの凄い情報量が詰まっていて、読んでるとめちゃめちゃ心にずっしりくるのですが、執筆する際に気をつけている点や苦労することなどありますか?
[野村先生]
「目は口ほどにものを言う」じゃないですが、私生活と一緒で人の表情とか動きとかからの方が本音がわかるって事もあると思うんです。
だけど無音なシーンは読者さんの取り方次第で変わってくるんで、それがなるべくミスリードにならないようにするってところが苦労するところかなー。
あとは読者さんの目の移動距離とかで緩急つけたりします。

先ほども心理描写が凄いと申しましたが、この二人の何ともいえない背徳感のつきまとう関係性を描くのに、何か参考にされたものはあるのでしょうか。
誰かモデルがいるとか・・・、ま、まさか先生ご自身の経験じゃないですよねっ???
[野村先生]
凄いっすか・・・ありがとうございます。
多分経験があったら恐怖心で描けないっす・・・。
担当さんに
「お互い配慮し合うような人間関係のマンガを描いて欲しい。あと女性。艶っぽいの。浮気とかどうですか?」
と言われたので、
「浮気が出来ないの方が描きたいです。その方が多分艶っぽくなりそうな気がしますです。」
と言いました。
ウォン・ カーウァイ監督「花様年華」という浮気ができない、これ以上踏み込めないっていう映画が好きで、そういうのを描いてみたいなーってのが始まりです。
最初はそうでしたー。
最初のイメージは映画からのインスピレーションだったんですねぇ。
ちょっとその映画見てみたいです!!
先生のご家族はとても円満だと思いますが、もし仮に先生自身が二葉さんと同じシチュエーションになってしまったらどんな行動をとると思いますか?
そして作中と同様に麻衣子さんのような人がそばにいたらどうなっちゃいますか??
[野村先生]
(え、円満じゃなかったらどうするんすかー!!ってのは置いといて)
僕が二葉さんだったら、最初に
「旦那に浮気しとるの知っとるって言うんがええんじゃないん?言えんなら、わしが我慢できんけえ、言うよー」
と言いますよ・・・。
即解決させたがるんで麻衣子さんは僕には惹かれないんです・・・・・・。

うはは、そうなんですね・・・。
あと何点か作中の設定のことを訊いてもいいですか?
「うきわ」の舞台になっているこの町はどこかモデルになってる場所はあるのですか?
聖地巡礼しようと思えば行ける場所なのでしょうか。
[野村先生]
決めとるの、広島市ってのだけですかねー。
あの社宅に住んでる人らは広島市東区の地名から名前とってます。
1巻の後半の舞台の商店街は「タカノ橋」ってとこにあって、広島一の繁華街「流川」だと色んな人に見られるんで、あんま人のいないとこをチョイスするだろうなー、と。
(近くにラブホテルが多いんで、そういうカップルも多いんじゃないかなーとか。)
おぉ~、そうなんですね。
タカノ橋近くの商店街に行けばあの背徳感を味わえちゃう感じなんですね~。
あと名前の由来が広島市東区の地名なんですかぁ・・・。
(絶賛スマホ検索中)
あ、ほんとだ。
二葉や中山って地名あるぅぅぅ!!
そうそう、二葉さんと麻衣子さんの住んでいるコーポケサダは社宅ですか?
きっと社宅なら家賃は2万円くらいなんでしょうね。
この社宅も実在する建物なのでしょうか。
[野村先生]
僕が鉄工所勤務の頃に住んでた賃貸のアパートをイメージして描いております。
(社宅じゃないですが・・・)2万で住めたら羨まし〜!です・・・
(コーポケサダのケサダは、元カープの外国人選手から。)

二葉さんや麻衣子さんの旦那が働いてる会社の業種は何なのでしょう。
僕はズバリ機械工具関係の商社じゃないかと思ってるんですが!!
[野村先生]
なにかは決めてないですが商社です。
機械工具関係にしちゃうとそっちを描きたくなって違うマンガになりそー。
「うきわ」は二人を描くマンガってのに重点を置いてます。
あ、設定の話とは違うんですが、1巻の104ページで風呂場の天井のフタっていうんですかね、あれ開きっぱなしなんですけど、今もあそこは開きっぱなしなんでしょうか!?
[野村先生]
やわらかスピリッツのコメント欄でもそこが気になる方多くて参考になったんですが、あれ、あんときは精神的に閉める余裕が無かったって表現なんで、あとで風呂で入ってるときに気がついて、興ざめで閉めたんだと思いますよー。
ああいうコント回が大切だと思っております。

あと、麻衣子さんの性格って初期に比べて現在はちょっと変わってきてますか?
序章での麻衣子さん1巻29ページで超大胆なセリフ言ってるんですよね。
[野村先生]
序章はまだ、二葉さんに好意はあるけど、心底ほれてないって設定なんで、ああいう冗談が言えるんですが、もう冗談として言えなくなってきちゃったんですねー。
序章が一番、うきわで浮いてるだけで良かった時期なんです。
それでは、いよいよ発売される2巻の見所はズバリどこでしょうか!!
[野村先生]
これ、担当さんに聞きました!
「二人の急接近のドキドキと二葉さんの過去がわかる」
個人的には、マンガ原稿だけだと160ページくらいで出せるのを、お値段そのままで192ページに増やしてもろうて、その空きページで大量に演出したところをすんごい頑張ったんで、そこも見てやって下さると、作者嬉し泣きします。

これは楽しみですね!!
発売日が来るのがめちゃめちゃ楽しみです!!
他に告知等ありましたらどうぞ!!
[野村先生]
9月22日には「満月エンドロール」っていうイブニングでやってるマンガを
上、下巻同時発売しますです。
おぉっ、そちらも楽しみですっ!!
今回はどうもありがとうございました!!
また新刊出る際にゲノム解析させていただきたいと思います!!
野村宗弘先生の『うきわ』2巻、7月11日(金)に発売です!!
是非とも大人の経済力をフルに活かして1、2巻大人買いして下さい!!
と、何だかこれで終りのように見せかけて・・・・・・。
まだまだ続くよゲノム解析!!
野村先生に作画写真の解説をしていただきました!!
(記事中に挿入された作画写真の上から順番に①~⑤とします)
[野村先生]
①先に人物を描きます
②下書きはコピー用紙に描いてそれをトレースします(消すのめんどくさいんで)
③入れました。
④こんな感じ
⑤フォトショップで仕上げて完成ー
以下は各写真について解説いただいてます!!

[野村先生]
画材。
ペン先は「日本字ペン」というの。
子供の頃からずっとこれです。
使って先が丸くなったのを太い線に。
新しいのは細い線に使います。
枠線はピグマの0・8ミリ。
ふきだしは、普通の水性サインペン
筆ペンは、描き文字とかドアップとかに。

[野村先生]
2巻台割
単行本の設計図みたいなの。
無理言って総ページ増やしてもらって、合間のページでいっぱい遊んでます。
単行本を作る編集作業が一番好きです。
この画材で沢山の作品が生み出されてるんですね~。
そう思うと画材なのに眺めてるだけでドキドキしちゃいます。
そして、台割というものは今回初めて目にしました。
普段なかなか見る機会の無いシロモノですよね。
本当に超貴重なものまで御紹介いただきありがとうございました!!
野村宗弘先生
代表作 「とろける鉄工所」
連載中 やわらかスピリッツ「うきわ」
イブニング「満月エンドロール」
HP http://www.geocities.jp/toukyousamitto/
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さて、第1回目のゲノム解析いかがでしたでしょうか。
このブログを訪れた皆様が野村宗弘先生に興味を持たれ、その作品に触れていたたけることを切に望みます。
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- ジャンル:アニメ・コミック
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